2022年1月28日

(ベルクの展示・フォト公開に合わせて)

NEWS【ベルクの展示フォト】に合わせて

当時、書いていた文章も合わせてアップします。合わせて

 

(さらに…)

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2022年1月23日

鶴、オスとメス



小学3年のいとこ娘がおもむろにポケットからとり出し、そっと私の腕に置いてくれた折り紙。

「こっち(右)がオスで、こっち(左)がメス。」

いつも鶴のオスメスを忘れてしまう私に、やさしく教えてくれる。

そしてこのかわいい折り紙を、どうやら、くれるみたい。

そっと自分のポケットに入れようとすると

「夫婦やきね!」

と言われていっきに緊張が張りつめた。


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(Instagram @aiuiroha

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2022年1月16日

カラオケBOX

《日記》

一昨日。
そういえば高知に戻ってから一度もカラオケBOXに行ってなかった。
東京に暮らしていたころはライブ前など2度以上カラオケBOXを利用していた。
明らかにコンクリート造ではないマンションで、小声&小音で練習をし、カラオケBOXで大声で歌う。一人で。

「広めの部屋があればお願いします。」

2022年1月、高知。
東京にいたときの名残でそうお願いしてみる。

「ちょっと確認してきます。」

と言ってからカウンターを離れた店員さん、戻ってきて、
何かしら大丈夫だったのかそのままレジに部屋番号を打ち込み始めた。

「31番のお部屋です。」

案内されたお部屋がこちらだ。



広い。

これは「広め」なんてものじゃない。

広い。

さすが高知。太平洋に面しているだけある。

東京で「広め」と頼めば本当に広めの部屋があてがわれたが、
高知で広めといえば広い部屋がやってくるのだ。

少々落ち着かなかった。


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2021年12月15日

まとめて抱っこ

↓ ↓ イオンモールはこのようにして歩きます。↓ ↓

(撮影:いとこ)

 


そっと抱いていたいとこ娘をイオンモールの地上に下ろす。
すると今度は手をつなぎながら、いとこ娘がうれしそうに言う。

「パパがね〜、
お姫様抱っこしてくれるで。」

「え〜〜いいな〜〜
 私もやってもらえるかな〜〜」

場末のスナックの中年女性のようなうらやみ方をする私。

一方、そばにいたいとこ(つまりいとこ娘のママ)はすごく驚いて、こう言った。

「え!!あれ、お姫様抱っこと思っちょったが!?
 あれ、プロレスで。」

すごいちがう。
かなしい。

 

 

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2021年12月14日

いとこの予定と新しい単語

「盤石」。

いとこに「いつ会える?」って予定を聞いて返ってきた言葉。

「○月○日は○時から娘の習い事、
 ○月○日の火曜は盤石、
 ○月○日は○時までなら・・(略)・」

・・・盤石。
盤石ってなに。

岩盤浴かヨガかそれに付随する何かか。

とにかくそれはいとこの予定のひとつで、
体によさそうなものだ(多分石を使うから)。

「盤石って何?」

メッセージで聞こうかとも思ったが
なんとなく恥ずかしくも思ってネットで調べた。

ばんじゃく【磐石・盤石】
① 大きな岩。
② 非常に堅固なこと。安定していて、動かないこと。
(スーパー大辞林)

なるほど。
そういうことだったか。
○月○日のいとこの火曜日は、盤石。
非常に堅固で安定していて動かないほど確かなフリータイム。

手元の辞書でも引いてみた。

(新明解 国語辞典 第五版)
ばんじゃく【〈磐石】
巨大で重たく、容易に動かすことのできない岩。

もはや、岩。

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2021年6月10日

じゃがいも

デビューライブのチラシを置かしてもらいに、
高知の某喫茶店にお友達とランチを食べがてら行った。
そこの女店主は一度、去年のクリスマス、飲みの席で一緒になったことがある。
木のドアを開け、アンティーク雑貨なども置かれている店内に入り、
友人とランチのひとつを注文する。
注文したランチが届き、食べる前に思い切って声をかけた。
一度会ったことがあるんですが、ほら、あのとき、
クリスマスの時のことを話すと、女店主はすぐ記憶の中から私を思い出してくれた。
そしてチラシを渡すと、
「まぁ。歌う人だったんですね〜。」
と、外のパッとしない天気を忘れさせるような明るい声で言った。
はい、まぁ。
歌う人という自覚はまだなかったが否定もできずに言うと、
「今までもやってらしたんですか?ライブ。」
と聞かれたので、
いえ、今回が初めてなんです
と言うと、
「まぁ!じゃあドキドキするでしょう。」
と共感してくれた。
はい、もうドキドキソワソワです、
と答えると、
「うわぁ、こっちまで緊張してきちゃう。」
・・・まだ会って3度にも満たないというのに、
まるで自分が舞台に立つように力一杯の共感をしてくれている。
なんと人情味に溢れたお方だろう。
優しさに目を細めていると、

「じゃがいもだなんて、思えませんよねぇ。」

と女店主が言った。
先程まで舞台に立った時の臨場感を互いに感じていたはずなのに、何故じゃがいも。
突然の野菜の登場に、私の思考は停止し、真意を探る為に目が開く。
どうしたものかと目をキョロキョロさせていると、
キョロキョロに気づいたのか否か、より噛み砕いた説明があちらからやってきた。
「緊張した時は人をじゃがいもと思えって言われたけど、
 とてもじゃがいもだなんて思えませんよねぇ。」
とのこと。
なるほど。
緊張した時の対処法なのか。
知らなかった。
そしてこれも女店主の優しさだったのだ。
だから私は努めて穏やかな表情で
「はい。じゃがいもだなんて思えませんよねぇ。」
と臨機応変に答えた。
にしてもじゃがいもはこんな風にも会話に現れるものなのか。
私は目をぱちくりと瞬かせ、
女店主との会話はじゃがいもで幕を降ろし、
ふたたびご飯を食べていた友人の方に向き直った。
ご飯を食べようと口を開くと、友人も口を開き、
「私は、かぼちゃと思いなさいって言われたよ。」
と言った。

喫茶sumicaにて 2011年9月末

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2021年3月15日

73の質問

[2019年4月]

最近、朝ごはんのときにVOGUE JAPANのYoutubeを見ている。
VOGUEのスタッフが海外セレブやスターの別荘や自宅で73の質問を矢継ぎ早にしていく、というもの。
海外セレブやスターの家はとても広く、
カラフルで色んな部屋だったり庭だったりを目まぐるしく移動しながらスターが質問に答える。「一番ダサいニックネームは?」「好きなののしり言葉は?」「自分を動物に例えると?」——朝ごはんを食べている私も、できる限り、質問について考えることで参加する。

VOGUE「昔から持ってるものは?」
・・・うーん、なんだろう、
こういうとき人は、
子どもの頃のブランケットとか言うのかな?
私は・・・
「好奇心よ。」
画面の中のセレブスターが言う。

VOGUE「今まで贈った中で最高の物は?」
えーと、
小学生のときに
男の子に贈った
バッドばつ丸くんのレターセット・・・
「私の存在が何よりの贈り物よ。」
プレゼンス(存在)とプレゼント(贈り物)をかけたエマ・ストーンが言う。

VOGUE「ないと生きられないものは?」
食べ物!「愛ね。」

ハリウッドが遠い。

「今日の朝食?
いつもの食パンに、
世界中の愛を塗りたくってみたの。」(浜口)

◇◇こちらのエッセイの朗読が、こちらのYoutubeにて聴けます。◇◇

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2020年10月11日

行きつけの店


比較的よく行く喫茶店には、

食器や花器などの雑貨類も少しだけ置いてあり、

「このコップかわいい。」

と手にとった瞬間、

「そのコップは割れやすいき、やめちょきー!」

と止められた。
 

比較的よく行くバーに、

3次会で行き、注文しようとしたら

「わざわざ注文せんでかまんき!もう今日は水にしちょき!」

と言われた。



お店の人が、私を知ってる。



調子がくるうと食器をすぐ割ってしまうし、

お酒もそんなに強くないのだ。


 バーのマスターにいたっては
「お酒をすすめるだけがマスターの仕事じゃない」
というようなことも言っていたような気もするが、酔っていたので細かいことは覚えていない。



行きつけの店ってこういうふうにできるのか。


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2020年9月27日

ゲシュタルトスポットダイソー


水曜日と日曜日が休みのまやちゃんに、
日曜日、電話をかけた。

今日誰とも話してなかったからうれしい
とまやちゃんは言った。
そんなこと言ってもらえたら私もうれしい


3分くらい、褒められたいということについての話をした。


その後はまやちゃんがダイソーってやばいという話をした。


ウォークマンを聞きながら100均の下の棚を見て、
立ち上がったらめまいがして、
死ぬかも、と思った。とまやちゃんは言った。
死にそう、ということじゃなくて、
死ぬ可能性があるんだということを思ったんだって。

 

 

ダイソーこえー

 

 

とまやちゃんは言った。

 

まやちゃんと話すと頭が動くから私は好き。

 

1時間くらい後、
お互いのことを褒め合うメールを届けあってから眠った。


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100円のものすべてに名前をつけて

100円のものにはすべて名前をつけて


全て呼んだら安心だから 私は眠るから

 

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2020年9月19日

お せ ち

私はハリキッていた。
心から嬉しい恋人ができて、
一人暮らしのその人の家で正月を迎えることになり、
おせちをつくろうとハリキッていた。
12月のうちから"簡単につくれる"おせちの本を何冊か図書館で借り、
品定めを重ね、厳選した1冊を旅行カバンに入れ、東京に向かった。

結果、12月31日も1月1日も2日も私はおせちをつくっていた。

彼は怒っていた。
いや、怒りを通り越して少し呆れていた。
「おせちを作るんだっ!」と嬉しそうに宣言していたものだから彼もてっきり、すぐ出来上がるものだと思っていたらしい。でも私もここまで時間がかかるとは思っていなかった。その証拠に私はおせちを12月31日の夕方からつくり始めている。一人の人間が、鶴の恩返しのように扉を閉め、キッチンから1歩も出てこず、ずっと何かをやっている。一食につきおよそ2品ずつ増えるものの、待てど暮らせど全貌を見せないおせちの姿。

夜も、朝も、私はキッチンにいた。
私が寝ている間に彼はキッチンを片づけていた。
彼が寝ている間、私はおせちをつくっていた。
結果、1月2日の昼ごろ、彼は怒りはじめた。

「もうちょっと、段取りとか、考えたら!?」
「ひとつひとつ、片づけるとかさあ!」
「もちろんおせちをつくってくれるのは嬉しいけどっ!」
「こんなに時間かかるならいくつかつくってから来るとかさぁ!」

私は泣いた。
新年早々、おせちを原因にして涙を流す人間は、世の中に何人くらいいるんだろうか。
そんなことを考える余裕もないくらい悲しかった。
彼の言っていることは正しい。
だけど私はおせちをつくっている間も幸せだったからだ。

「もう二度とおせちはつくらないっ!!」

私は新年早々、おせちをつくらないという宣言をした。
昨月にはおせちをつくると言っていた人間がだ。それから泣いてふて寝した。
1時間後、彼のつくったカツ丼を食べた。まだ全ては完成していない何品かのおせちと一緒に。




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