ももちゃんの通っていた高校が、
ちょうど私の住んでいる駅の近くにあるということで、
その駅で集合して、近くでテイクアウトの弁当を買い、
せっかくなのでももちゃんの母校を見るルートで歩き出した。
もちろん私はその学校を知らないから、道はももちゃん任せ。
「たぶん、この道だったと思う。」と言って歩き出したももちゃん。
しかし歩けども歩けども母校、というか学校らしきものさえ見つからない。
さすがにもう出てきてもいいのでは、というくらい歩いて、
おそらくももちゃんの予想していたくらいの位置になったとき、ももちゃんは言った。
「なくなったかな?」

私は、ももちゃんの高校はなくなったというより
「たぶん、この道だったと思う」というくらい定かでなかった
その道のルートに原因があると思ったが、
母校を"なくなった"とするそのももちゃんの姿勢を私は"身軽"ととらえて好感をもった。
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伝え聞いた話なのでなにも確証はないが、
90代の大御所の料理家の方が言っていたところによると、
"天然"という言葉は昔なかったらしい。
戦後、誕生した、あるいは使われるようになった言葉なのだそうだ。
「じゃあ、天然ってどういう意味なの?」
大御所が首をかしげる。
・・・
大御所が首をかしげていたというその話を聞き、
私は一人、家で調べてみた。
新明解辞書(第五版)
てん・ねん【天然】人工の加わらない自然のままの状態。
じゃあ今度は"自然"を調べてみると、
天然とは比較できないくらいたくさんの項目が顔を並べていた。
ふむ。
と、大御所の方が目の前にいないのをいいことに、
頭の中でペラペラ喋った。
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ふだん、土曜日や日曜日(いわゆる休日)には予定が入らない限り
出かけることは少ないのだが、今日は珍しく朝起きて「出かけてみよう」
という気になった。
〜〜 表参道にある弁当屋の弁当が食べたい 〜〜
出かけた。
私が表参道に行こうとすると地図からは原宿からの徒歩16分のルートをすすめられる。
前回同じ店に行った時には思いつかなかったが、
今回原宿と聞いて浮かんだのが

THING OF THINGS
コクヨのやってる店。
(これを聞くだけで好きな人にはもう好きなんじゃないかと思う)
たしか、ここは2度目の東京生活の時(今は3度目)できた店で、
数回行き、どの時も好きで、この3度目の東京で行くのは初となる。
正直ドキドキした。
でもやっぱりよかった。
さすが数年ぶりというだけあって、ディスプレイもずいぶん変わっていた。
以前はもっと所狭しと陳列棚や商品の数も多かったように記憶しているけれど、
すごくスッキリとしていた。物も絞られているように見えた。

私のような田舎者はパッと店内を見た時
「えっ 少ない・・・」と心配になったが、
なんてことはない、よかった。ただよかった。
ひとつひとつも、すべても。

ディスプレイを、雑誌のページみたいにしていて、「やられたーっ!」と思った。
何にやられたのかはよくわからない。
* 横に、番号と商品、金額の表が置いてある。

クリップ詰め放題880円…。
高いのか安いのかわからないけれど、
置かれてあるクリップがどれもきらきらして見えて、なんなら瓶もスペシャルに見えて、
私は一心不乱に詰めた。気づいたら昼ご飯時を過ぎ始めていて、驚いた。
私そんなにクリップを詰めていたのかな。
– – – –
ところで弁当屋とはやや異なる方角に歩いていた。
ここまでとは別の方へ歩を進めると、途中通りかかった
アパートの入り口に看板があった。
「装丁夜話」
実態の分からないまま入ってみた。(もちろん勇気がいった。1〜2回踵を返した)
中では、一文のシンプルな文章の添えられた写真の展示が行われていた。
中央のテーブルになぜか私の愛用している辞書の外箱に同じような
写真が印刷されていて、聞くとそこにいた男性(写真を撮った人)は
その辞書の装丁を長年つとめている人らしかった。
「どうやってこの展示をお知りになったんですか?」
と店の主からたずねられて「看板を見て…」と返した。
辞書の人は「暑い中をわざわざありがとうございました。」と言ってくれた。
また外。
あとは弁当を買って帰った。
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Oさんの投げ銭ライブへ行く。
そこでは泡盛を中心とする飲み物や沖縄寄りの料理も楽しむことができ、
居合わせた知人や初対面の人たちとそれぞれ注文した食べ物を分け合ったりした。
Dさんの注文したタコライスにはスパイスやソースが計3種添えられてきて、
なかでも沖縄の胡椒というのはあまり見慣れないものだったので、
テーブルを囲んでいたみんなで回して眺めたり、香りをかいだ。
気づかない方がよいこともあると思いつつ、
今は言いたかったから言った。
「賞味期限きれてる。」
沖縄の胡椒の賞味期限がきれていた。
横に座っていた美女が「スパイスは永遠。」と言い、
「そうだね。」「それを出す、というのがいいなと思って。」
と全面でフォロー。
しばらくしたのち、Dさんがそのビンをもって眺めている。
デザインを見ているのかと思いきや
賞味期限、どこ? とDさん。
「ここですよ。」と指さして教えてあげると、
「1年以上きれてる。」
とDさんは言った。そしてこうつけ加えた。
「2年未満。」
賞味期限切れのスパイスのことを、友達以上恋人未満みたいに表現した。
やさしい。
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ももちゃんはカメを飼っているらしい。
さっき、会うのが2回目・4ヶ月ぶりにも関わらず、
うちのネコの名を覚えてくれていたので、私も意を決して聞いてみた。
「覚えられないかもしれないけど、
(カメの)名前を聞いてもいい?」
するとももちゃんは「いいよ」とほほえんで「でもたぶん覚えられるよ。」と言って、
それから、
「カメちゃん。」
と言った。
カメちゃん…。
「女の子だから、"ちゃん"でいいよ。」とも言った。
そういえば、さっきネコの名前が出たときにも
「あれ? "ちゃん"だったっけ? "くん"?」とももちゃんは言っていた。
カメの名前に対して、「やる気ないよね〜!」と笑っているももちゃん。
そのあとの敬称については慎重なのだ。
どちらにせよ、やさしい。

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東京に来て、はじめて魚を食べた気がする。
外とか、弁当とかならあった。
ただ、調理前の魚を買って、家で焼いて食べたのは、この3度目の東京暮らしでは初。
完全には入りきらない大きさのホッケをコンロに入れて焼きながら、
「みんな、元気かな。」
と思った。
高知の人たち。
その時浮かんだのは、

魚屋のおじさんだった。
私に、不慣れな魚の焼き方・煮方などを教えてくれた。
高知のみんな ⇄ 魚屋のおじさん
昨日は近所のクリーニング屋に行って、
ニットのベストを出し、
お店の人に繕ったダーニングを「え!自分でやったの!?」と褒めてもらった。
今日は郵便局でレターパックを買うだけで帰ろうとしたら
「おあずかりします。」とおじぎしたぽっちゃりお兄さんが
「あ、ちがう! ありがとうございました。」とはにかんで笑った。
こうして、また、ここに、みんなが。

( 2023年 6月 )
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ついに映画2巡目が巡ってきている。
こないだは「エターナル・サンシャイン」。
オススメの恋愛映画の特集があると必ずといっていいほど取り上げられているこの映画。
1回目の時(何歳の時に見たんだろう)は何も感じなかったんだけど、
時を経て今見たらすごくよかった。

今日は「アメリカン・スプレンダー」。
すごく昔の日記に走り書きしていた一節や、
シーンシーンを、びっくりするぐらい覚えていた。
例えば"私は過激な革新派よ。"
見るまで気づかなかったけど。
それを思うと、気づかないうちに、私の生活に影響を与えているものはたくさんあるんだろうな。

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どこぞのインタビュー記事を読んで気になっていた映画「なまず」を観た。
私が10代後半・20代前半の頃に観ていたあの頃の邦画みたいな
雰囲気がなんとなく漂っていて、好きだった。
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はじめての撮影。
"公募"というのを初めてした。
集まってくれたのは、私の音楽で私のことを知ってくれた人たちだった。
だから、内一人は、あまりにライブをしないから、会えるなら、ということで
来てくれた。
(よかった!)
まずは、写真を、公開します。
▼ クリックするとニュースページにとびます ▼
[photo: 上本里恵]
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昨日の日曜日があけて今日は月曜日。
なんとなく疲れていてそれは昨日YouTube(小芝居)の動画を編集して、
音源のことでエンジニアの方と電話をして、早稲田に移動して
電車の中でも編集して、でもそれはやっぱりよくなくて、
朗読劇を見て、気持ちを冷まそうと2〜3駅先まで歩いて、帰ってまた編集・エッセイ、など。
どれが原因かはわからないけどとにかく。
昨日の日曜日があけて今日は月曜日。
なんとなく疲れている。
疲れているけれども昨日見た朗読会の感想を喋りたくなる。
朗読会に出ていた主役・ゴンザさんに連絡すると奇跡のフリー。
午後、飯田橋で会う。
ゴンザさんは本番後の、
わたしはただ昨日ただいろいろとアップしたという自負の、
二人とも頭がまるで回らず、
たぶん4、5分で終わる話をそれぞれ15分以上かけてした。
一週間の日記をためておけば、
日曜日がきっともっと軽くおわる。
そう思い、風呂でこれを打ち込んでいる。
= = = = =
●曜日
おしりが、かゆい。
人に会って、「最近、どう?」と聞かれたら
「おしりがかゆいです。」と答えてしまいそうなくらいかゆい。
でもそれも数分のこと。
それにしても、体の中でわりとぶあついこの部分。
そこがかゆいなんて、すごいことだ。
何かが、行き渡ってる。すごいゾ!体!
(今 3/24 1:27)
= = = = =
●曜日

火曜日に食べたピザ。
= = = = =
今がいつの自分なのか分からなくなった。
= = = = =
●曜日
映画を2本見る。1本目は「メキシカン」、2本目は「ソルト」。
(どちらも、私が見なさそうな映画だ。)
どちらも、"もうすぐ見放題終了間近の映画"として紹介されていたサブスク上で。
たぶん、私はTSUTAYAではこれを借りては見なかっただろう。
現に見たいものはすでにTSUTAYAで借りて見ているから、おおむね
それ以外のものを見ることになる。
いいことなのか、どうなのか。
あとアンジェリーナ・ジョリーは映画の中でわりと大変な目にあっていることが多いような気がする。
= = = = =

図書館の前の木。
= = = = =
ひさびさに日記を携帯に打ちこむ。
今日のお天気雨、とてもきれいだった。
しっかり顔を出してる太陽の下でキラキラ雨が降って、
なぜかちゃんと傘をさしてる子づれの夫婦もまぶしかった。
あの雨はまさしく「シャワー」
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Oさんに、「モテる人ってどんな人だと思いますか」
と聞いてみる。このごろ、TVやラジオでモテる人って〜みたいな話を耳にしたのだ。
Oさんの答えは、こう。
「エロいワードを散りばめられる人。」

エロい、ワードを、散りばめる・・・・。

ペロペロ、だけが浮かんだ。
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映画をみにいく。久々の2本立て。いや、2本立ての映画を、
ちゃんと2本ともたてつづけに見たことなんて、あったか? まぁ、とにかく、

1本みたあとの、外のまぶしさよ。 10:00〜のをまず見た。
次の2本目が始まるまで
お昼を、どうしようかと思う。
食べやすそうなサンドのあるドトールに行くが、
いまひとつ気が乗らず、やっぱり映画館に近い、
(そして事実さきほどまで同じスクリーンで同じ映画をみていた人も買っていた)
ケバブ屋を選ぶ。ケバブ350円。
朝の行き道のときからほとんど決まっていた。
その流れでファミマで、アイスカフェラテもふんぱつ。
そして映画館へ戻り、同じ席で、
なるべく次の開演前までにという心意気でケバブをかじりはじめる。
えっ! 映画館のシートでこういうもの食べるのってこんなに楽しいの!
えっ! ケバブとカフェラテってこんなに相性がいいの!
・・・楽しい・・・!
となったところで開演ブザー。
予告編(とはいえ紹介されるのは映画1本)でもむしゃむしゃ。
なんとか食べ切りたかったけど、ケバブは見た目よりボリュームがある。
まだ8割方ある。映画が始まる。その時、気づいた。
えっ ケバブって けっこう におい ある ね
ケバブは、においが、けっこうあるかもしれない。
脳内で、映画館につきものな食べものを思い浮かべる。
ポップコーン、ホットドッグ、ハンバーガー、チュロス・・・
だんとつで、ケバブのにおいが勝つ。
そのケバブを、私は今、映画館で食べている。
すみません。と思う。
映画鑑賞にはあらゆる要素が含まれている。
館内のつくり、シートのすわり心地、スクリーンの大きさ、
温度、スタッフの対応、客のマナー、そして、におい!
「はじめて映画を見たのはハリウッドで、
映画の内容もさることながら、
場内にあふれていたポップコーンの香りを思い出します。」
という架空の60代女性のインタビューが脳内に浮かぶ。
となりのとなりのとなりの席の女性の記憶、
この映画の記憶に、このケバブがついていくのではないか。
すみません。 と思う。それと同時にもう食べきるつもりしかない。
「歩いて数十歩のところにケバブ屋があるから!」
と全力で言い訳を放つ。
においはもう捨てた。気にしてもつらいだけ。
せめて気をつけることのできる音。音に注意!
スクリーンの中では映画が進行中。
列車が走って、ケバブ。
ダンスパーティーで、ケバブ。
大雨が降り出して、ケバブ。
スクリーンの中の激しさと私のケバブが連動中。
そしてあと3〜4口で食べきれそうだという時、
手に違和感。
ケバブが包まれていたのは、
とくにビニール加工の施されていない
シンプルな紙だった。
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