2016年9月10日

ナンパについての考察 その1

have a nice tea

(2010年。福岡で暮らしていたころの書)

なんだかタイトルがSEX AND THE CITYさながらで興奮します、わたしです。
ブラッドショー・浜口です。
珍しく夜中に書いている為、若干フワッとしている可能性があります。

こないだ、親戚のユリちゃん(40代)と話していて、
およそ15年前の男女の出会いについての話になった。


つまりはユリちゃんが独身を謳歌していたころ、
福岡にはナンパのメッカであるストリートがあったという。

そこにいる女はつまり、ナンパをされるための存在であり、
そこにいる男はつまり、ナンパをするための存在であったのだそうだ。

「目の前には、順番待ちの列ができとったよ。」

というユリちゃんに、私は耐え切れず、

「どんだけ、モテるがよ!!」

と土佐弁丸出しのツッコミを挟んだが、

違うらしい。

ユリちゃんはたしかにオシャレで美人だ。

しかしこれを読んでいるあなたも、
女性であるという条件さえ満たせば、
あなたの前にナンパ待ちの列はできたのだそうだ。

女性でさえあれば。

かわいいかわいくないに関係なく。

その○○通りであれば。

当時、その通りに行くこととナンパはつまりイコールだったという。

自分が、あら、私、激戦ラーメン店だったかしら?
と錯覚するほど、ある意味腹をすかした男性陣が目の前に並べば、
否が応にも取捨選択を行う必要が出てくる。
みんなと遊ぶわけにもいかない。

「中でも車を持っているか否かが重要だった。」

と隣の経験者はアイスコーヒー片手に語る。

「友達と遊んでて帰りたいなと思ったときに皆でその通りに行くんよ。
 そんで、来た人が車持っとったら、帰り賃浮くやろ??
 まぁ男の子とはちょっとだけお喋りして〜。
 やから車持ってないなんて人が来たら、ようあんたここまで来れたね、って。
 何も持たずにどんな自信があって来たん?って感じやった。」

ユリちゃんは車を持ってない人間の現れた当時を思い出し苦い表情をする。
今となってはコーヒーはブラックしか飲まなくなった。

「それで、車持っててまぁ悪くないかなって人達と一緒に歩き出すやろ、
 そしたら、さっき断った人とかとすれ違ったりして、『なんで〜?』とか言われるんよ。
 それで『ゴメンね!』みたいな。」

いつかを振り返り、目を細める親戚。
ナンパは他の場所でも起きた。

「例えばファーストフード店とかで、友だちと二人で食べとるやろ、
 そしたら、自動ドアのところで男の人が靴脱いで入ってきて
『すみません、一緒にお茶しませんか!?』って。
 だからこっちの友だちが『すみません、店内土足でお願いできますか?』って。
 いきなり初対面の人がボケてきて突っ込むとか、
 ナンパっていうてもどこでも当たり前やったし、それが健全やったわ〜。」

体験したことのない、言うならばお伽話を前に、私は何と言ったらいいのか。
想像さえ追いつかない話に、
すごい、としか言いようがない。

こういうのを、カルチャーショックと言うんだろうな。

【※カルチャーショック:異文化に接したときに、
慣習や考え方などの違いから受ける精神的な衝撃。(広辞苑第五版)】

私の前にもきっと男性の列はできたのだ。

その◯◯通りであれば。

そして、15年前であれば。。。


その2につづく、、、)