2017年8月27日

7月、山梨、用事はレコーディング

先月、山梨に行ってきました。レコーディングです。




駅の南口で待っていて、と言われていた。
山梨までバスで着いて、降りた広いロータリーが南口だろうと思いこんでいたら逆だった。
こういう迷いのない思い込みってどうしたらいいのか。

今回もレコーディングエンジニアをお願いする玄さんが、駅まで車で迎えに来てくれていた。
まずはお昼ご飯を食べようということになっていて、
「うどんか寿司かカレー、どれがいい?」
と聞かれて、さっきまで「うどん」と思っていたのに口から出たのは「寿司」だった。

寿司屋に向かいながら、玄さんがその店の紹介を運転席からしてくれる。
「よく行くところでさ、息子さんと知り合いなんだけど、
すぐにはお店を継がずに一回違うところで働いて、戻ってきたんだよね。」

しかもその1回働いたというのが寿司屋ではなく、ケータリングを中心に新しい調味料の製造をしたり素材と季節を意識しながらの料理をつくるとかとにかく新しい可能性を感じさせるところだったのが、なおさらいいなと思った。好感。

そうして辿りついた寿司屋は昔ながらの趣で、
美しいツヤのかかった一枚板のカウンターは分厚く、
明るく玄さんと挨拶を交わしている大将の顔からもカウンターの木と同じような重ねてきた年月とこだわりが感じられた。

そこに息子さんらしき人が現れた。
笑顔でしそジュースを持っている。サービス品だ。
飲んだら、すごく美味しかった。
でも、こんな立派なお寿司やさんで、こんな立派なしそジュース、よろしいんですか?

そう思って顔を上げると、息子さんがメガネをかけていることに気づいた。

おしゃれな丸いやつ。

 

おしゃれなメガネをかけている人を見たとき、私は必ず確認することがある。

レンズがついているか、ついてないかだ。

息子さんは、「ない」に該当する人だった。

寿司屋の大将の息子さんのメガネにはレンズがなかった。

つまり、おしゃれだ。

それについての対応も対策もわからず、
顔をふせたところにちょうどお寿司が運ばれてきて、
一口ほおばるとすんごく美味しかった。

美味しい!

と思ってまた顔を上げると、また息子さんの顔があった。

するとそのメガネの、新しいポイントに気づいた。

 

 

針金でできていた。

 

寿司屋の息子さんのレンズのないメガネは、針金でできていた。

 

わたしは寿司に集中することにした。


わたしのしっているところを超えている。

 



【 おまけ 】
山梨の町内放送。さすが盆地。