2012年7月7日
初めてのCDリリースに寄せて
「OLと鳥」
ミックス作業が最終の段階になり、CD-Rにいちど音源を落とし込んで、
小学生の頃からあるSHARPのラジカセにそれを入れ、再生ボタンを押す。
曲が流れる。1曲目。
1. 左手
これは当時、東京で暮らしていた頃、
ルームサービスのアルバイトをしていた際つくった曲です。
バイト後、休憩室(ホテルの部屋の一室を倉庫にしていた)で冒頭の部分を作りました。
そこから色んな場所で少しずつ積み上げて、東京、高知、
最終的に締めくくられたのは確か鳥取でした。
そんな話は曲の内容とあまり関係ありません。
そして2曲目。
歌が始まるまでのつまり前奏の間、なぜか泣きそうになった。
どこか分からないところから訪れた涙と共に今までのことを思った。
今までがあってよかったとか、そんな言葉でもなくて、
今までのことがあって今がある、という、その事実だけが、
現実以上に身に染みたようだった。
無駄じゃないとか、人生はそんなに生易しくない。
2. 別れの気配
これはほんとのほんとに最初の最初に録音した曲です。
つまりレコーディング初日、
緊張したまま、わけのわからないまま
しかし気持ちだけは込めるぞという意識だけで口を開いて歌った曲です。
これについては1テイクしか録りませんでした。
昔の恋人とはこの歌の通りうまくいかなかったわけですが、
時間が経ち、このテイクでは感謝をこめて歌うことができました。
お元気ですか。
これでようやくあなたと別れることができそうです。
3. ノート
初めて作った曲。
中学高校の時にも作りはしましたが、
高校を卒業し上京し、しばらくが経ち、
20歳の時に作るぞと思って作った曲。
これが私の中ではなんとなくはじめてのような気がしているので。
そしてその時じゃないと作れなかったものだと。
4. 恋のうた
今回収録した中では一番新しい曲です。
好きな人に会える日は歌を歌う必要もない、そんなうかれたチューンです。
この曲がきっかけで、浜口の曲は妄想でできているのではないかという噂が流れましたが、
それは全て「口を塞がれて」というところが原因だと思います。
5. OLと鳥
歌っている通りです。
ちなみに声のふるえは「緊張」からではなく、「興奮」からです。
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このアルバムは全て私の生まれ育った高知県にある、
藁工アートゾーン「蛸蔵」にてレコーディングを行いました。
レコーディングエンジニアは田辺玄さん(WATER WATER CAMEL)。
一人では決してアルバムを作ることも、
出来上がることも、
間違いなくなかったように思います。
だから、私の曲が盗作だったらどうしようとかいう土壇場でのどうしようもない悩みを優しく聞いてくれた玄さんを始め、私の声のCD化を希望したばっかりにジャケットのデザインまでする羽目になったデザイン&プランニングのプロ・竹村さん(歌詞カードがまるでひとつの本みたいでとっても好き)、どれをやったらいいか悩んでいる私に「全部やったらいいやん。」と言ったばっかりにCDのイラストを描くことになったもこ、初めて作ったデモ音源を「いいじゃん」と喫茶店 ”terzo tempo” の佐野Pが言ってくれたから私はライブをすることができたし、平素から関わってくれているMを始め、すべての人に感謝します。
ありがとう。