2016年11月7日
EYEコンプレックス
写真の中の父の目は一重(ひとえ)だ。
母はパッチリ二重(ふたえ)。
私は一重で産まれた。
小さいころ、目が小さいことを恥ずかしく思ったことがあった。
しかし二重の母から、「お母さんも小さい頃は目が小さかったけれど
大人になるにつれ、目が大きくなって二重になった」と聞き、
わたしは気に病むことをやめた。
小1、小2、小3、小4、小5、小6、中1、中2、中3、高1、、
わたしはすくすくと育った。
しかし高2になったある雨の日、ふと気になって
車で学校まで送ってくれていた母に、たずねてみたのだ。
「お母さんって、なんで二重になったが?」
「え? アイプチ。」
けなげなハートは雨と一緒にワイパーで飛んだ。
幼い私に優しい母のついたウソを信じ続けた数年間。
それでもまあいいかと思ったけど知らなかったおかんのアイプチの歴史を知りびっくりした。
現在、大人のわたしはやや奥二重だ。
少女時代から思春期にかけて、
大人になれば二重になると信じていた気持ちがそうさせたと信じている。
(アイプチの話、続きます。)