2025年4月28日

2025年1月東京 [2/2]

ほぼ一度しか会ったことのない人でも、
いなくなったとき、本当にすてきだったなと改めて思う人がいる。

ホテルでは結局夜3:00に寝て、朝8:20のアラームで起きて、
眠過ぎる目と頭と気持ちをなんとかいなしながら荷造り・身支度をする。

諦めかけたがなんとか朝食券を持ってチェックアウト、
期待していなかったが品数の多いラインナップでもっとゆっくり食べたかったと思う。

数種類、残してしまった。

そして葬式に行く。

急におととい、東京に行くことにしたのは、
数回会ったことのあるご婦人が亡くなったからだった。

もう葬式には出ないつもりでいたけれど、
ちょうどその方の話をよくしていたこと、
まだ知らなかったけど亡くなられた日の翌日に足を伸ばすことができない迷い犬を見たりと
悲しいこともあったので、なんとなく、行くことにした。

スーツケースを引きずり電車を乗りかえたりして会場に行くのも気が重く、
タクシーをアプリで呼んだら予定より5分ほど遅れてやってきて、
道も混んだりで電車より大幅に遅く到着してしまった。

〇〇家と書かれた会場の前で降り、
入ろうとすると控室が2階です。と案内された。

すぐ会場に入るものではないらしい。

控え室に荷物を置きに行ったら、すぐ移動になった。

「お茶をください。」

トレーにお椀を載せていたおばちゃんにリクエストすると、
「もう呼ばれましたから。」と断られた。

会場では誰より泣いた。
多分この会場の誰より会った回数は少ないだろう。
出てくる涙を黒色じゃないハンカチでおさえながら声を押しとどめ自分でも若干引いていたが、
韓国には泣き女という職業もあると聞いたしまあいいかと思った。

ところで「南無阿弥陀仏と一緒にご唱和ください」

と僧侶に言われて指示通り言おうとすると、

な〜〜むあ〜〜〜〜みだ〜〜〜〜〜〜〜〜〜ぶ

なかなか一定じゃない伸ばし具合で面食らった。
独特なテンポ感に最初から上手に合わせられる人はいるのだろうか。

葬式、初七日の儀式、お棺に花を添え、なんとなくそこで会場を出ることにした。

2階の控室に戻って、配膳のおばちゃんが背中をむけているのを確認後、
テーブルの上にあったポットからお椀にお茶をこっそり入れて飲んだ。
熱かった。