2023年5月28日
映画、ケバブ
映画をみにいく。久々の2本立て。いや、2本立ての映画を、
ちゃんと2本ともたてつづけに見たことなんて、あったか? まぁ、とにかく、
1本みたあとの、外のまぶしさよ。 10:00〜のをまず見た。
次の2本目が始まるまで
お昼を、どうしようかと思う。
食べやすそうなサンドのあるドトールに行くが、
いまひとつ気が乗らず、やっぱり映画館に近い、
(そして事実さきほどまで同じスクリーンで同じ映画をみていた人も買っていた)
ケバブ屋を選ぶ。ケバブ350円。
朝の行き道のときからほとんど決まっていた。
その流れでファミマで、アイスカフェラテもふんぱつ。
そして映画館へ戻り、同じ席で、
なるべく次の開演前までにという心意気でケバブをかじりはじめる。
えっ! 映画館のシートでこういうもの食べるのってこんなに楽しいの!
えっ! ケバブとカフェラテってこんなに相性がいいの!
・・・楽しい・・・!
となったところで開演ブザー。
予告編(とはいえ紹介されるのは映画1本)でもむしゃむしゃ。
なんとか食べ切りたかったけど、ケバブは見た目よりボリュームがある。
まだ8割方ある。映画が始まる。その時、気づいた。
えっ ケバブって けっこう におい ある ね
ケバブは、においが、けっこうあるかもしれない。
脳内で、映画館につきものな食べものを思い浮かべる。
ポップコーン、ホットドッグ、ハンバーガー、チュロス・・・
だんとつで、ケバブのにおいが勝つ。
そのケバブを、私は今、映画館で食べている。
すみません。と思う。
映画鑑賞にはあらゆる要素が含まれている。
館内のつくり、シートのすわり心地、スクリーンの大きさ、
温度、スタッフの対応、客のマナー、そして、におい!
「はじめて映画を見たのはハリウッドで、
映画の内容もさることながら、
場内にあふれていたポップコーンの香りを思い出します。」
という架空の60代女性のインタビューが脳内に浮かぶ。
となりのとなりのとなりの席の女性の記憶、
この映画の記憶に、このケバブがついていくのではないか。
すみません。 と思う。それと同時にもう食べきるつもりしかない。
「歩いて数十歩のところにケバブ屋があるから!」
と全力で言い訳を放つ。
においはもう捨てた。気にしてもつらいだけ。
せめて気をつけることのできる音。音に注意!
スクリーンの中では映画が進行中。
列車が走って、ケバブ。
ダンスパーティーで、ケバブ。
大雨が降り出して、ケバブ。
スクリーンの中の激しさと私のケバブが連動中。
そしてあと3〜4口で食べきれそうだという時、
手に違和感。
ケバブが包まれていたのは、
とくにビニール加工の施されていない
シンプルな紙だった。